2013/06/05 Category:出張レポート

イタリア出張レポート ⑤カンピ・ヌオーヴィ

今回は、南トスカーナのワイナリーカンピ・ヌオーヴィ」を紹介します。

シエナより車で南へ1時間ほど下ったところに、カンピ・ヌオーヴィのあるモンテクッコがあります。

このエリアは、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとモレッリーノ・ディ・スカンサーノのちょうど真ん中辺りにあり、近年、高品質なワインを産み出す産地として、イタリア内外から注目を浴びています。2011年にはモンテクッコ・サンジョベーゼはDOCGに昇格しました。

高いポテンシャルを持つこの地に、一からワイナリーを作り上げたのが、オーナーのロッゼリーニ氏。

 

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トスカーナの銘醸ワイナリーで経験を積んだ後、自らの手で純粋なサンジョベーゼを作りたいと、 カンピ・ヌオーヴィ(イタリア語で「新しい大地」という意味)を立ち上げました。

彼は、「なるべくブドウに手を加えない」という哲学のもと、オーガニックやビオディナミ農法のスペシャリストである奥様と二人三脚で、7haの畑を大事に育てています。

 

まだ除草をしていない畑には、黄色い花がたくさん咲いていました。

  

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現在建設中の新しい醸造設備は年内に完成するそう。2000年に誕生したワイナリーは、日々進化をしています。

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設備の上から眺めると、圧巻の景色が広がります!

 

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畑の一番高いところは海抜450メートルあり、周辺のすべての畑が一望できます。一般的に、サンジョベーゼに適した標高は、450メートル付近が限界と言われていますが、カンピ・ヌオーヴィの畑は、そのギリギリの高さにあり、ブドウが鍛えられていいワインになるのだといいます。

 

ワイナリーのいたるところに、いろんな種類の岩が転がっていました。 設備の建設中に出てきたもので、この地の複雑な地層を物語っています。

 

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ロッゼリーニ氏いわく、こうした様々な土壌の性質が、ワインに複雑さと個性を与えているのだそう。

 

 石灰を多く含むスレート状の岩。記念に持ち帰りました♪

 

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畑は南西向きの斜面で、十分な日当たりを確保しています。

 

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同時に、ティレニア海(写真の奥側)からの海風があたるため、ブドウが熟しすぎることはありません。

東には(ちょうどこの写真の裏側)、アミアータ山という山があり、東から吹く冷たい風から畑を守っています。

また、この山からの地下水が畑の地中の深いところを流れているため、ブドウの木の根がその地下水を求めて地中深くまで伸びるのだそうです。 

 

まだリリースされていない、2012年ヴィンテージの「カンピ・ヌオーヴィ サンジョヴェーゼ」のタンクサンプルをテイスティング。

 

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サンジョベーゼの個性を活かすため自然の酵母を使って、70hlの大樽で発酵させます。

熟成は、バリックは使わず、20hlの大樽を使用。 

 

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見てください、この鮮やかな色!

華やかな果実香が真っ先に鼻を通ります。

2012年は酷暑が続いたのにも関わらず、綺麗に酸が残っており、タンニンとのバランスがとれていました。

(青空と緑を目の前に飲むワインは最高でした!)

 

サンジョベーゼの特徴をそのまま活かして作られたワインだからこそ、素朴な味わいの料理によく合います。 この後、近くの街にある、洞窟のような素敵なレストランでランチをいただきました♪

 

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ラム肉のラグーソースパスタと、「カンピヌオーヴィ・ロッソ」との相性が最高でした!

今回のイタリア出張の中で、一番おいしかった料理は、 と聞かれれば、他にもいっぱいありすぎて一つには絞れないのですが、ベストマリアージュは、と聞かれれば、ダントツでこの組み合わせです!

少しクセのあるラム肉と、ブレンドされているカベルネ・ソーヴィニヨンのスパイシーさが相乗効果をもたらし、ややこってりめのソースに、熟成されたワインのしっかりとしたタンニンと果実味が良く合い、あまりの美味しさに、ついつい食べ過ぎてしまいました(笑)。

 

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最後に、「 ワインにブランド名をつけたくない。”カンピ・ヌオーヴィが作る、サンジョベーゼ・モンテクッコ DOCG”、それだけで十分だ。」と語ってくれたロッゼリーニさん。サンジョベーゼをこよなく愛する、ブレない姿勢に、彼のワインに対する自信と誇りを感じました。

サンジョベーゼへの情熱を、まるで子どものように語ってくれたロッゼリーニさんは、 彼の作り出すワインと同じで、本当に純粋で素敵な人柄でした。

 一インポーターとして、こんな情熱を持った方のワインをもっと広めていきたい!と感じました。

 

(市川)

 

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